今回は「プロフェッショナルってなんだろう」というポエムを。
お恥ずかしい話ですが、ぼくはとても不真面目な大学生時代を送っていました。建築学科卒で一時期は建築会社にも籍をおいていましたが、現在はゲーム業界で活動させていただいています。
結局大学で学んだことといえば、
- 興味がないことをやることには大きな苦痛を伴う
- 「つぶしがきく」という安易な理由で自分の人生を選択してはいけない
- 時には大樹の陰から離れることも必要
- 人生に嫌いなことをやっている暇はない。好きなことだけをやり続けられるように環境を作るべき
これくらいなもんです。
上記は建築学とは全くない事柄ですが、自分で思い知ったことなので良しとしましょう。学費も奨学金で自分自身で払ったので、まあいいんじゃないでしょうか。(余談ですが最後の奨学金を払い終えたとき、やっと大学を卒業できた気がしました。長かった…)
閑話休題。
今回のテーマは学生時代に教授が話していた内容です。授業に出て話を聞いてたということは一年生の頃でしょうか(苦笑)。モノづくりに携わる人なら頷く点があるんじゃないかなと思うので書くこととしました。
地味にぼくの中でひとつの指針として持ち続けている視点です。
職業とは
英語の中で職業を表す単語はいくつかあるようです。完結にまとめてあるページを見つけたので引用させていただきましょう。
- Professionは「知識の高度なレベル」の職業
- Vocationは「生計を立てる手段の技能」が職業
- Occupationは「生計を立てるために従事すること」が職業
引用: 職業を意味する英語には三種ある | 人事・労務・総務のベストパートナー 「人事Gate(人事ゲート)」
件の教授が話していた内容は「プロフェッション」についてです。
プロフェッションとは
プロフェッション(Profession)の語源はprofessにあるそうです。
professには「公言する」、「約束する」と言った意味があるとのこと。
ではモノづくりに携わる僕らは、何を約束するんでしょう。
約束
ものがすでに出来上がっていて、それをいくらで売り出す。という商売は単純です。(もちろん単純だから簡単だというお話ではないですよ)
そのものの価値を伝えて、価格に見合っているかどうかを顧客が判断し、購入するかどうか決断すればいい。
しかし建築においては、まだこの世にないものに対してビジネスが進みます。(建売住宅とかなら作ってから売ることはできますが、たとえば東京ドームを作ってから売るなんてのは不可能ですね)
まだこの世に生まれていないものに対して何をどう約束するのか。
それは「ベストを尽くす」ということを約束するのだと先生。
「これから作るモノ」に対して定量的な判断はできないけれど、「ベストを尽くすと言ってくれたこと」に対しては対価を払うことが出来る。
「それが我々のプロフェッションだ。」
先生はそう続けました。
これはもちろん建築にとどまらず、モノづくりに携わる人々全般に言えることではないでしょうか。
- ペルソナシリーズの新作なら絶対買う
- 小島監督のゲームなら面白いはずだ
- 大場つぐみ x 小畑健のタッグが再び!
ジャンルも、規模も、個人であるか企業であるかも関係ありません。
君(達)のベストにはお金を支払える。そうクライアントに思っていただくために僕らは常に作品作りに全力を注ぎます。
そしてそれらの結果が積み重なったものをブランディングと呼びます。
ブランディングとは信頼であり、一朝一夕で作れるものではありません。
まとめ
どんなときもクライアントと仕事そのものに対して誠実に、真正面から向き合ってプロフェスしていきたいものです。
そして全力でその約束に応え、「あなたと仕事ができてよかった。次の機会もぜひ。」と言っていただける職業人でいたい。
そう思いながら日々PCの画面を見つめています。