kick the base

Houdiniと、CG技術と、日々のこと。

Houdini : 挫折ポイントに向き合ってみる

こんにちは。めんたいこです。皆さんいかがお過ごしでしょう。

先日Houdiniに関するこんなアンケートをとってみました。

上記お悩みとそれぞれ向き合い、その解決方法や7月に開催する僕の初心者講座でお役に立てそうなところをピックアップしていきます。

shop.cgworld.jp

※ こちらは2023年3月に開催された講義のご高評を受けての再演となります

目次

アンケート結果

早速ひとつづつ見ていきましょう。

「手法」は何となく分かるが「目的」がわからない 35.6%

実は本アンケートで一番難しいのがこれです。目的の設定が一番大切で、逆に言えばそれが明確になればおのずと手法は確定していくわけです。

以前知人がこんなことを言っていました。

「人によって作るものがぜんぜん違うのでHoudiniは何ができるのかよくわからない。」

これはね。もったいない考え方なんですよ。実にもったいない。なぜならHoudiniは「エフェクトだけできるツール」や「アルゴリズミックデザインに特化したツール」などではなく、何でもできるツールだからです。*1

Houdiniはそのアプローチの特性上エフェクト制作に向いていますが、根本的な考え方はプロシージャルモデリングも全く同じものが流用できます。

エフェクトも背景アートもプロップ制作もツール制作もパイプライン構築も、同じ考え方を使うことができる。その考え方を習得するのは簡単ではありませんが、マスターすれば様々な場面で自由に作業ができる。

どうでしょう。ワクワクしませんか。

このHoudiniを貫く考え方(データに対するアプローチ)をしっかり身につけると、CGの見方が変わります。そしてその視点をもって目的を設定できるようになるのです。その考え方も見方も、Houdiniだけの特別なものではなく、コンピューターサイエンスの根底と深く繋がっているため「死なない技術」というところもポイントが高いです。

HoudinistがHoudiniを絶賛する理由はここにあります。

この考え方(Houdini Way)を学ぶことで「目的」を見つける手がかりとなることでしょう。本講義では徹底的にこの歩み方をマスターしていただきます。

「目的」はあるけど「手法」がわからない 24.4%

目的さえあれば、手法を学ぶのは比較的簡単です。

小さな粒度のネットワーク(ノードの塊)を数多くこなす

これにつきます。派手なエフェクトや広大な背景生成など、モチベーションが上がる題材に手を出すのは少し我慢していただいて、地味ですが様々なシーンで活用できる引き出しを増やしていきましょう。

武器が増えてきたら、あとは作りたいものにチャレンジしてみてください。本講義を繰り返し復習したあかつきには、「このノードを使ってみよう!」と思えるようになるはずです。

以下に講座で学ぶ様々な知識のうち、「選択」をピックアップして簡単にご紹介しましょう。

上を向いたポリゴンを自動で選択しよう

いちいち手動で選択範囲を選ぶなんて時代遅れです。(さすがに言い過ぎ)

プロシージャルに処理するためにどんなモデルに対しても上を向いたポリゴンを選択する仕組みを作ってみましょう。

「上を向いている」という状態をどう指定するかがポイントです。

サッカーボールのポリゴンセットを維持する

サッカーボールの膨らみを表現するため押出しやベベルなどをかけていくのですが、こんな数の選択を手動でやるのはスマートではありませんよね。

この「手作業はダルいな」という感覚はとても大切です。

いかがでしょうか。たったふたつの考え方のご紹介でしたが、「仕組みで解決する」という方法の一端が垣間見えると嬉しいです。

知識はインプットしたけれどそれらが一本に繋らない 20%

チュートリアルをつまみ食いした方に多い現象かと思います。これは僕がまさに通ってきた道です。

Houdiniは学習コストが高いツールなので、やるからには仕事にしたい!そう思いますよね。初学者の頃、僕は焦りもありものすごい数のチュートリアルを総当りしました。そこで得られたものは、「初心者こそ体系的な理解が必要」という結論です。

ある程度のボリュームがあり、かつそれらが有機的な理解に繋がるよう設計されたカリキュラムをこなし、自身の血肉にすること。それが最も王道だと考えます。

本講義ではまさにそれを体現したものとなっており、自信をもっておすすめします。

単純に難しすぎる 20%

これね。身も蓋もないですけど分かります(笑)

しかし安心してください。本講義では第一回目の開催において多くの受講者さんから圧倒的な高評価を頂いています*2。あなたを置いてきぼりにしないカリキュラムとフォローをお約束します。

kickbase.net

まとめ

終始ダイマでお恥ずかしい限りですが、僕は本気でHoudinistが増えてほしいと願っていますし、初学者の皆さんの背中を押したいと考えています。そしてワークショップは下記のように参加人数が多いほど皆さんのメリットになるのです。

  • 質問をしやすい場を作ることができる
  • 誰かの質問がみんなの利益になる
  • ともに学ぶ仲間ができる

知人友人お誘い合わせの上ぜひご参加ください。

では、講座でお会いしましょう。

*1:当然ながら苦手な分野もあるので、すべての作業をHoudiniだけで完結させる必要はありません

*2:下記リンクを参考のこと