勉強会の趣旨
Houdiniの作例を各人持ち寄って「実装はできたんだけどもっと効率的な組み方がある気がする」とか「ここで詰まったんだけどうまい方法ないかな?」みたいな互助会的な勉強会したい。あとでブログに詳しく書く。
— ブローノ・めんたいこ (@kickbase) 2019年2月23日
下記に勉強会の構想を書いておきます。
- 参加者は基本的に「自分が事前に作成したシーンファイル」を持参し、発表をしながらより良いアイデアを募る。
- 質問は「ここから先が実装できなかった」等の具体的なものでも、「実装はできたけどもっと良い方法がありそうな気がする」等のふんわりしたものでもOK。
- 持参するシーンファイルは何個あってもOK。もちろん疑問点の難度は不問。参考書やWEBで見かけたネットワークのこのノードの意味が分からないなどでもOK。
- シーンファイルを持参しない初心者見学枠や特に疑問点もないが参加してみたいといった経験者アドバイザー枠も用意できればと思ってますが、一般参加者よりも枠は少なくなる予定。
- 手ごたえがあれば定期開催したい。(やってれば疑問点は出てくると思うので)
- Discordサーバも立ててオフラインでも学びあえる場を作れるとよりGOOD。
日程・場所は現在調整中ですが、Twitterのハッシュタグ#houdiniaid
を追っていただくか、ぼくのTwitterアカウントをフォローしていただければキャッチアップできるかと思います。
ぼくのTwitterアカウントはよくスクリーンネームが変わりますがご了承ください。
以下にこの勉強会を開催しようと思った理由を書いていきます。賛同いただける方はぜひご参加ください。
サンプルファイル
平行四辺形に内接する円を作りたい
こんなお題が出まして、ぼくが作成したノードが下記の通りです。(ツイートしたときはもっと無駄に複雑だったのですが、比較しやすいようにネットワークを整理しています)
平行四辺形の変形などは説明を割愛し、内接円の作り方を下記に説明します。
Group CreateSOP
すべてのポイントをorigin
グループに入れます。
SubdivideSOP
上記とは別ストリームでSubdivideします。
Group TransferSOP
ここでorigin
グループを転写します。(ここら辺の工程がダサい気がするんですよね)
DeleteSOP x2
先ほど転写したorigin
グループとポイントナンバー0を削除しています。
AddSOP
Polygons > By Group > Closedにチェックを入れて面を張ります。
ConvertSOP
タイプをポリゴンからサークルに変更しています。
まとめると処理の流れとしては下記の通りです。
- もとの平行四辺形の中点を作成
- 中点同士をつなぎ、面を張る
- 四角形ポリゴンを円に変換する
先達からのアドバイス
ぼくの作例を目にしたらい氏( .@hiraitoyokazu )が下記アドバイスをくださいました。
それって Creep SOP 一撃なのでは…?
— らい (@hiraitoyokazu) 2019年2月22日
ありがたいことにシーンファイルも作成していただきました!この場を借りてお礼申し上げます!!
実にシンプル...!(比較しやすいよう少しだけ手を加えています)
上記ふたつを同時に再生させてみると全く同じ挙動になるのがわかると思います。
氏の作成したシーンの肝はCreepSOP
です。このSOPで第1入力の円のジオメトリを第2入力の平行四辺形のUV空間に転写しています。
ぼくは今までCreepSOP
を使ったことがなかったので、思いつきもしなかったわけです。(お恥ずかしい)
気付き
Houdiniで表現を行うとき「実行速度やネットワークの美しさはさておき、実装できること」が最も重要なことは明らかかと思います。しかし、「Houdiniが用意してくれている用途にマッチしたノードを利用することで、分かりやすくシンプルなノードを組むことができ、無駄なノードを省くことでCook時間も短縮できる」と思われます。
Houdinistを何人も抱するスタジオに在籍している方であれば先輩のアドバイスや刺激が受けやすいかと思いますが、まだまだユーザー自体の数が少ない現在、互助会を発足するのが良いのではないかというのが本勉強会の動機になります。
一緒に勉強しようぜ!という方、初学者の手伝いをしたいぜ!という方、これからHoudiniに挑戦したい!という方、ぜひご参加くださいませ!
備考
アドバイスをして下さったらい氏は「Houdiniではじめる3Dビジュアルエフェクト」の著者でもあり、本書はぼくが一番初めに購入したHoudiniの書籍です。現在ではHoudiniの書籍はカラーのものも含めいくつか出版されていますが、モノクロということだけで避けるには惜しい良書ですので、初学者の方は改訂版(2018/1)をご検討してはいかがでしょうか。