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Houdiniと、CG技術と、日々のこと。

Houdini: 第1回Houdiniゆるゆる会を開催しました!

2020/8/22(土)、テーマに沿ったシーンを事前に作成していただき、当日に発表形式で見せ合う勉強会であるHoudiniゆるゆる会を開催しました。

僕自身オンラインでの勉強会を初主催ということもあり、不手際の目立つ結果となってしまいました。参加者の皆さん、共同主催していただいているクロサワさんにもご迷惑をおかけてしまい、次回より良い会になるようシステム面から見直していきたいと考えています。

しかし上記問題点は置いておいて、発表者の熱量・工夫・テクニックは目を見張るものがあり、様々な知見が得られる素晴らしい会だったと思っています。定期開催したいと思っていますのでTwitterハッシュタグ#YuruHoudiniをチェックしていただくか、Houdiniゆるゆる会Connpassグループにご参加いただくと募集開始が通知されるかと思います。

というわけで、反省点と僕の発表についてのご紹介を以下に行います。

シーンファイルのダウンロードが可能です

振り返り

シーンファイル

こちらからダウンロードいただけます。

リファレンスの画像ファイルなどは配布の関係上削除の上公開しています

まずはクロサワさんに感謝!

諸事情により僕がいっぱいいっぱいの状態で裏方作業をやっており、会の運用の多くをお任せしてしまいました。本当にすみません&ありがとうございます。

次回はしっかりします。

発表枠について

Houdiniというツールの特性上、難易度・クオリティの高い発表も多かったですが、チュートリアルを応用しました!という方もご参加いただいてとても嬉しかったです。

誰しも最初は初心者です。発表者として参加するにはハードルが高く感じるかもしれませんが、その分得られるものは段違いですので、ぜひ発表枠で参加してみてください。未来のHoudiniヒーロー・ヒロインをゆるゆる会から送り出しましょう!

見学枠について

運営サイド(というより僕)が全く余裕がなかったため、見学枠の皆さんへのケアは正直行えていなかったというのが実情かと思います。次回以降善処します。

しかし、Houdiniというのは先達のシーンファイルがあれば自学自習に向いたツールになっており、公開されるファイルとともに復習していただければより理解が深まると思います。

ぜひHoudini道をともに行きましょう。

Twitter実況について

運営サイド(というより僕)が…(以下略)

もう少しツイートできてれば外からどんな勉強会なのか見えやすかったのかなと思います。ただ次回以降も運営のタスクはそれなりにあるので、ツイート担当でお手伝いいただける方が参加していただけると嬉しいなと思っています。

反省

今回上がった反省点は下記のとおりです。

内容 対応
雑談・アイスブレイクの時間がほしい 次回より対応
登壇順は早めにシェア 次回より対応
発表者が孤独になりがち 次回より対応
ZoomURLの連絡について 次回より対応
ノイズ問題 対策検討中
Zoombombing対策 対策検討中

以下詳細を記載していきます。

雑談・アイスブレイクの時間がほしい

今回オンライン開催ということで、トイレ休憩などとらずぶっ通し4時間進行という形にしてしまったのですが、参加者同士のコミュニケーションが生まれにくいという弊害が見受けられました。

そのため、次回から3,4人の登壇後小休憩を挟む形にしたいと思います。これにより知見が整理され、ツイートでの実況も増えるのではという効果も見込んでいます。

登壇順は早めにシェア

登壇順はスクリプトでランダムに決定したのですが、早めに発表者にシェアしておいたほうが心の準備ができてよかったというご意見をいただきましたので、そのようにしたいと思います。

発表者が孤独になりがち

これは僕自身が発表している際も感じたのですが、PCの前で一人で喋っている感覚に陥りがちで結構キツイなという印象を受けました。

次回以降、僕orクロサワさんもしくは運営でご参加いただける方が随時フォローをする形で進行したいと考えています。

ZoomURLの連絡について

会場のURLについてはConnpassのDM機能でご連絡していましたが、メールの発送タイミングと参加タイミングがずれ込みURLがわからないという方が発生していました。

URLをクローズドにしつつ参加登録が済んだ方はいつでも確認できるように、今後は事前にURLを発行しておきConnpassの参加登録完了後に表示される情報内に入れておくようにしたいと考えています。(ここはクロサワさんと相談の上運用方法をすり合わせていきます)

ノイズ問題

Zoomでのオンライン勉強会において、様々なデバイスで受講される方がおられます。「チャット機能でマイクオンになっていますよー」と指摘しても、確認しにくい環境の方もおられるかと思います。

まずは勉強会開始段階で運営の方から発言タイミング以外ではミュート推奨の旨アナウンスすることとします。

また参加者のPC環境に依存するトラブルも発生しましたが、これはしょうがないことなので運営側でうまく回す・フォローできるようにしたいと思います。

Zoombombing対策

詳しく書くとリスクになるため割愛しますが、皆がストレスなく参加できるよう、セキュリティも考慮した運用を行いたいと思っています。

オペレーションコストがかかりますが、待機室機能を利用するのも効果的かもしれません。

定期開催に向けて

after coronaからwhit corona社会において、オンライン勉強会という選択肢は現実的なものかと思います。

少なくとも次回はオンラインでの開催になると思いますので、参加者の方々に安全に学びの場を提供するというポジティブな面を伸ばしていきたいと思っています。

そして運営サイドのケアも拡充できればと考えているので、我こそは!という方はぜひめんたいこまでご連絡ください。(会の趣向上Houdiniユーザーであることが望ましいです)

僕の発表内容について

シーンは配布済みですが、簡単にネットワークの解説などを。

僕の作例はこん棒で、下記パーツで成り立っています。

  • 木製の本体
  • 攻撃力を高めるため埋め込まれた石
  • 乱雑に巻き付けられた布製の持ち手

本体について

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上記のようなメープル模様(?)の木目を作りたいと考えました。

以前作った等高線のようなラインエフェクトだと表現したいことが実現できないため、つむじを複数持つようなラインエフェクトを作成しました。

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FindShortestPathSOPを利用して新たなトポロジーを作成、外積とForLoopを用いてポイントを伸ばしていくというよくあるラインエフェクトの手法かと思いますが、つむじの場所決定と個数の管理を少々工夫しています。

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SortSOPでPointSortをRandomにし、ポイントナンバーを0から取得することで重複なくランダムな場所を指定しています。スクリプト脳だと「配列を作ってシャッフルして…」と考えてしまいがちですが、Houdiniの機能をそのまま使うほうがネットワークが追いやすくてよいですね。

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RBD Material Fractureを使って簡単にディティールを足しています。この石の配置にバージョン18から追加されたCopy to PointSOPのvariant機能を利用しています。

いままではCopy StampでSwitchを使ってコピー元オブジェクトの分布コントロールを行っていました。

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それがCopy to PointSOPで行えるようになり、かつPythonのVerbs関数と相性がよいのでその解説を行いました。

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もちろん下記ジオメトリを作る場合などはCopy Stampも健在ですね。

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持ち手

ClipSOPをForLoopで回し、角度をランダムにすることで乱雑に布を巻いているような形状にしています。

いままで地面に設置する際、TransformSOPの-$YMINを用いていたのですが、より汎用性の高い方法をアドバイスいただいたのでここでまとめておきます。

実装 特徴
-$YMIN ローカル変数のため計算結果を保持していない
-bbox(0, D_YMIN) エクスプレッションのため計算結果を保持している

-bbox(0, D_YMIN)を使用するとInvert Transformationも利用できて便利ですね。Presetもこちらで置き換えておきました。

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Togetterまとめ

こちらに当日のツイートをまとめています。編集部が選んだイチオシまとめにも選んでいただきありがたいことですね。

第1回 Houdiniゆるゆる会

まとめ

色々反省点はあったけれど、次回も開催するのでみんな軽率に参加してくれよな!!