kick the base

Houdiniと、CG技術と、日々のこと。

とあるプロダクトデザインに感動した話

今日はデザインについてのポエムを少しばかり。

伊藤園のOcha SURU? Glass Kyu-su 02を買ったら唸った話。

プロローグ

ぼくはコーヒーが大好きで自分で焙煎もするんだけれど、日本茶も美味しく飲めたらいいなと常々思っていたのね。

せっかく購入するなら美しいものに囲まれて生きていきたいと思うので、どれにするか考えていたところ、2つの候補に出会って。

煎茶堂東京 割れない「透明急須」

割れない「透明急須」shop.senchado.jp

伊藤園 Ocha SURU? Glass Kyu-su 02

www.chagocoro.jp

どちらも透明・シンプルで似た印象を受けるけれど、前者は急須で後者はグラス・急須・茶漉しのSUITEという点が異なっている。

特にOcha SURU?の「急須に蓋すらない」というミニマルな設計が刺さってこちらを買うことに。

ファーストインプレッション

もうね。ブチギレですよ。

しかしこれはどう考えてもおかしい。手の皮が厚い人向けのプロダクトということはなさそうだ。というわけでお茶と適正温度について調べてみた。

気づき

全く知らなかったんだけど、日本茶の適正な温度は下記の通りらしい。

種類 適正温度
上級玉露 40℃
玉露 40~60℃
煎茶 70℃

ほほう…ではその温度で飲んでみようじゃないか。ということで非沸騰タイプの電気ポットを買ってみた。

Amazon | [山善] 電気ケトル 電気ポット 0.8L (消費電力 1200W / 温度設定機能/保温機能/空焚き防止機能) ホワイトシルバー EGL-C1280(WS) [メーカー保証1年] | 山善(YAMAZEN) | ホーム&キッチン

ちなみにこの「山善 電気ケトル 電気ポット 0.8L (消費電力 1200W / 温度設定機能/保温機能/空焚き防止機能) ホワイトシルバー」だけど、下記がポイントで割と気にいっている。

  • 温度設定機能
  • 保温機能付き
  • 空焚き防止機能
  • 前回の設定温度メモリー機能

特に前回の設定温度メモリー機能がお気に入り。大体お茶っ葉は多めに買うので、毎回温度設定するのは大変。ワンボタンで前回の温度を呼び出せるのはマストではないかなと思う。

適正温度で淹れてみた

ポットが届いたので、煎茶を70℃で淹れてみる。

持てる!持てるぞ!!

ロックアイスに直接お茶をぶっ込むワイルドスタイルで飲んでみたけど、もとの温度が低いのも相まってスムーズに温度が下がった気がする。そして甘みが段違いだ。

やはり適正温度で淹れたお茶は違う。実においしい。

UI/UXについて

自動掃除機のルンバを購入したときに思ったことがある。

ルンバはコードをバリバリ巻き込んでいくので、定期的に使用するためにはコードが地面付近に散乱していない状態を作り出す必要がある。つまりルンバを使おうと思うとその前段階としてすでに部屋がキレイになっていなければならないということになる。

これはすなわち、ルンバの付帯状況としてより高いユーザー体験を得る方向に生活がシフトせざるをえないという逆説的な設計がなされていて、これはデザインそのものだなと感心したものだ。

これと同じことが今回の「Ocha SURU? Glass Kyu-su 02」にも言える。

「沸騰したお湯では急須が熱すぎて持てない」という事象が「低い温度でお茶を煎れる」ことにリンクし、それが最終目標である「美味しいお茶を飲む」というUXに有機的に繋がっている。

ルンバの件とは異なり、熱い!というより肉体的なアラートが積極的なシグニファイアとして機能しており、これは素敵なインターフェースと感心した次第。

My new gear ...

結局我が家の日本茶ブラザーズはこんな感じに。

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Ocha SURU? Glass Kyu-su 02

美味しいお茶を飲める上にデザインについて考えさせてくれたプロダクツ達。いい体験をさせていただきましたとさ。

追記

ちなみにchagocoroのストアサイト、SHOP | CHAGOCORO | 文化をインスパイアするお茶メディアに関しては割と厳し目のBAD UIだと思うので、修正していただけるといいなと思います。