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Houdiniと、CG技術と、日々のこと。

コマンドライン for デザイナー2 -Homebrew編

前回に続けて「コマンドライン for デザイナー」と題してお話をしていきます。具体的には、MacでPythonの開発環境を整えるまでを順を追って説明していきます。

  1. ターミナルって何?
  2. Homebrewって何?
  3. pyenvって何?

今回はHomebrewについてお話します。

本記事の狙い

「homebrew コマンド」や「homebrew 使い方」などを検索すると、大量に技術系記事にヒットしますが、そもそもHomebrewってなんだろうという疑問に答えてくれる情報は少ないように思います。

インストール方法は本家本元の情報に、使い方や便利なTipsは他の記事に任せるとして、本ブログでは非エンジニアの方々(主にデザイナー・アーティスト)の皆さんがイメージしやすい説明をしようと思います。

Homebrewとは

デザイナー・アーティストの方に最も馴染みが深いであろうもので例えると、Creative Cloudデスクトップアプリケーションがそれに該当します。

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以下にCreative CloudデスクトップアプリケーションとHomebrewの役割を記載しましょう。

Creative Cloudデスクトップアプリケーション

  • アプリケーションのダウンロード・インストール(アンインストール)を管理する
  • アプリケーションのバージョンを管理する
  • ファイルの共有、フォントやストック画像の検索などを管理する

Homebrew

  • パッケージのダウンロード・インストール(アンインストール)を管理する
  • パッケージのバージョンを管理する

どうでしょう?Homebreはファイルの共有やストック画像の検索などはできませんが、インストール(アンインストール)やバージョンの管理ができるところはとても良く似ています。

ちなみにパッケージというのは実行ファイルや設定ファイル、ライブラリをひとつのファイルにまとめたもののことですが、最初は特に意識をする必要はないでしょう。*1

本来なら色々なところからダウンローしてきてインストールしなければいけない個々のパッケージを、Homebrewを介することによって一元管理できるというのが非常に便利なのです。

実際の使用方法とツールの考え方

その前にtreeコマンドの解説

まずtreeコマンドについて簡単に説明しておきましょう。本ブログでも記事を書く際度々使ってきましたがtreeコマンドはディレクトリ構造を表示するツールです。

例えば下記のようなものをコマンド一発で作ってくれます。

.
├── sub
│   ├── test-10.ai
│   ├── test-8.ai
│   ├── test-cs.ai
│   ├── test-cs5-02.ai
│   └── test.txt 
├── test-cc.ai
├── test-cs5.ai
└── test-cs6.ai

これ、手入力してたら大変ですよね?インデントが狂った!とかサブディレクトリの場所間違った!とか、そのたびに修正していては身が持ちません。

そこでtreeコマンドの登場です。

tree [対象となるパス] [オプション]

というカタチをとり、対象となるパスを省略した場合はカレントディレクトリに対してコマンドを実行します。

オプションは下記のとおりです。

オプション 意味
-a 不可視ディレクトリ・ファイルを表示
-d ディレクトリのみ表示
-f 相対パスを表示
-h ファイルサイズを表示
-u オーナーを表示
-g グループを表示
-L [階層] 表示する階層を指定

オプションは複数指定することができ、

tree -fh

とした場合はカレントディレクトリに対して相対パス表示でファイルサイズも表示するという意味になります。

いきなりtreeコマンドを使ってみよう

Homebrewを使用する前に、おもむろに下記コマンドを実行してみましょう。

$ tree

bash: tree: command not foundと表示されると思います。これは「treeっていうコマンドはないよ」ということですね。

つまりtreeコマンドはMacにデフォルトで入っていないので、外部からインストールする必要があるということです。

さあ、ここでHomebrewの登場です!

Homebrew自体のインストール

Homebrew自体のインストールに関しての解説は本記事の趣旨と離れますので簡単な説明のみ行います。インストールにつまずいた場合は最新のネット情報を参照してください。

  1. Xcodeをインストールする
  2. Homebrewをインストールする。本日現在コマンドは下記の通り
$ /usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"

以下はHomwbrewがインストール済みとして進めていきます。

パッケージのインストール

インストールは簡単一発。1行だけです。

$ brew install tree

上記を実行するだけでパッケージのインストールが始まります。インストール完了後はtreeコマンドが使える様になっているはずです。

パッケージがHomebrew経由で管理できるか確認する

treeはHomebrewで管理できるパッケージでしたが、他のパッケージはHomebrewが扱えるか確認してからインストールすればよいでしょう。

$ brew search [パッケージ名]

これでパッケージがHomebrewに対応しているかどうか確認できます。

その他もろもろ

インストールができればもちろんアンインストールもできますし、パッケージの有効・無効の切り替えも、パッケージのアップグレードも可能です。

Homebrewの操作に慣れてきたら調べてみると良いでしょう。

まとめ

HomebrewはCreative Cloudデスクトップアプリケーションみたいなもの!

それだけ伝われば本記事の役割は果たせたと思います。

Homebrewを使ってツールをスマートに管理していきましょう!

参考サイト

*1:本記事では混乱を避けるためパッケージとコマンド、あるいはフォーミュラの明確な区別は控えて解説しています