去る2018/12/8(土)に3DCG Meetup#14が開催されました。本記事は各セッションの復習をしながら会全体を振り返ってみたいと思います。
- 第1セッション 視線を操る 基礎の基礎
- 第2セッション MELこんな感じで書いてます改+アルゴリズム紹介
- 第3セッション ゼロからモデリングして、UE4で映像を作ってみよう!
- 第4セッション リアルタイムレンダリングでのマテリアル表現
- 懇親会
- 反省点
- まとめ
- 追記
第1セッション 視線を操る 基礎の基礎
ちろナモ(@you16_0823)さんによる視線誘導のセッションでした。
本セッションは制作の現場で語られることの多い視線誘導というものを、分類・体系化した内容をお話しいただくといったものだったのですが、その内容の濃いこと!第1セッションから会場を温めまくっていただきました!
大切なロジックを踏まえながら、それらを適用した実例を紹介しつつ軽快にお話を進めていくスタイルで、笑いあり感動ありと素晴らしい時間をご提供いただきました。
詳しい内容については触れませんが、ご自身で研究を重ねられてきていることがヒシヒシと伝わる内容で、3DMU史上でもトップクラスの満足度だったかと思います。
ブラボー!!!!!
第2セッション MELこんな感じで書いてます改+アルゴリズム紹介
Ari(@cgjishu)さんによるスクリプトのセッション!
現在では新規でMayaのツールを作成する場合、メンテのしやすさや言語仕様のスマートさなどの理由からPythonを選択されることが多くなってきているかと思います。しかし、そこでAriさんがMELを採用し続ける理由としてMayaLTユーザの要望に答えるためというのが大きいというお話があり、ツール製作者はこうあるべきだなぁと個人的に深く感銘を受けました。使う人がいてこそのツールですからね。
セッション自体はMELで進みましたが、コードそのものより大切なエッセンスはそのアルゴリズムの紹介の部分です。格子状を表現するにはどうすればいいか、またエッジループはどうとらえればいいのかなど、興味深いお話ばかりで目からウロコでした。
また重要なところとしてすべてのユースケースに対応するよりエラーハンドリングで対応するなど、運用でカバーな視点も興味深く聞かせていただきました。
セッション終了後に参加者のみなさんがAriさんを囲んでいる姿をみて、「ああ、愛されてるなー」と微笑ましく思ったのを覚えています。
ちなみにAriさんはサクラエディタでMELを書くとのことでしたが、VSCodeにもMEL開発用のエクステンションがあるっぽいので今度調べて良さそうだったらお伝えしてみようかなと思いました。
第3セッション ゼロからモデリングして、UE4で映像を作ってみよう!
alwei(@aizen76)さんによるUE4のセッションです。
ZBrushのスカルプトから始まり、Mayaでのセットアップ、UEへのインポート、シーンのセットアップからアニメーション、そしてレンダリングと「1時間でどんだけやるんじゃい!」とツッコミたくなるような濃厚なセッションでした。
結論として、実際に1時間で上記工程を通しで見せていただいたわけですが、このスピード感を体験できたことがものすごい財産だなという印象でした。メインのセッションは初心者にもわかりやすいようサラリとした解説で進み、質疑応答では突っ込んだ内容についてもディスカッションが行われ、勉強会っていいなぁと思える素晴らしい時間となりました。
さすが大阪UE会の重鎮alweiさん。豊富な実戦経験と知識量をお持ちで、二次会でも最新UE4情報を教えてもらったりしました。わーい
第4セッション リアルタイムレンダリングでのマテリアル表現
大トリはkurosawa(@kurosaurus)さんによるマテリアルのセッション!
UE4のマテリアルについてのセッションでしたが、ゲームエンジンやリアルタイム・プリレンダー問わず、すべてのアーティストに聞いていただきたい内容となりました。
本セッションの最も重要なメッセージは「色も時間も位置もUVも画像もみんなおなじ」に集約されます。画像は画像、UVはUV、頂点カラーは頂点カラー…と、「そういうもの」として捉えがちですがコンピューターから見たら「ある次元(型)のデータ」でしかないので、自由に使っちゃおう!というお話でした。
「違う用途に使ってもいいんだ」と気づいた瞬間、より自由でアーティストお得意のK.U.F.U. (工夫)を活かしたものづくりができるのではないでしょうか。
非常に学びが多く、初の大阪開催の大トリを飾るにふさわしいセッションになったかと思います。
また上記スライドにもご紹介がありましたが、氏が登壇されているUE4シーン作成講座 for アーティストという動画チュートリアルが本当に素晴らしい出来になっているので、ご興味がある方はぜひご検討ください。実践的なノードの組み方、トライ・アンド・エラーの仕方、ワークフローの解説など密度の濃いものとなっています。
下記は動画のイントロとダイジェストになっています。
UE4シーン作成講座 for アーティスト - イントロ
UE4シーン作成講座 for アーティスト - ダイジェスト
懇親会
はじめての大阪開催ということもあり、中々会えないお友達やあこがれの人と出会えたり、お酒を交えてざっくばらんにお話を楽しんだりしていただけたかと思います。ピザも美味しかったですね!
反省点
残念ながら「反省点はゼロ」という訳にはいきませんでした。失敗を振り返るのもこれから3DMUを続けていく上で大切なことだと思うので記していきます。
ドタキャンをなくすにはどうすればいいか
ありがたいことに3DMUでは無断キャンセルはほとんどないのですが、直近のキャンセルが目に付きました。(これは関東開催でも同様で、大阪だから特にというわけではありません)
日付 | 人数 |
---|---|
12/6(前々日) | 3名 |
12/7(前日) | 5名 |
12/8(当日) | 7名 |
多いですね。
本勉強会のトータルキャンセルが28名で、そのうちスタッフとして参加のためキャンセルになった方が5名、つまり純粋なキャンセル23名のうち6割以上が前々日〜当日にキャンセルしていることになります。
体調不良や急用などがあるというのは重々承知ですし、そのためのキャンセルなのですが、直前に補欠繰り上げになっても参加できない方は多いです。
対策として最も直接的なのは前金制にするであるとか以前ドタキャンをした人は参加をお断りするなどいろいろあるのですが、運営としてはできるだけしたくないです。学びの場は奪いたくないですし参入ハードルも上げたくない。3DMUは誰にとっても開かれた場でいたいと思っています*1。
なので当会が目指すべきは下記2つだと思っています。
- 「絶対に参加したい!」と思わせる魅力的なセッションで構成する
- 参加者の皆さんも勉強会を作り上げる仲間であるという意識を持っていただく
1に関しては自信があり、今回も素晴らしい布陣だったと確信しています。よって2の方を伝え続けるのが当面やるべきことなのかなと思っています。
参加者の皆さんも勉強会を作り上げる一員なんだという気持ちになっていただけるようなコミュニティ形成ができるよう頑張りたいと思います。
キャンセルの悪影響などについてはブログに書いておられる方が多いのでご興味があればご一読ください。
主催いっぱいいっぱい問題
関東で開催する際、3DMUは共同主催のライオンさんが強力なバックアップをしてくれていて、ほぼ当日の裏方の管理はお任せしています。大阪開催ではさすがにお願いするのも申し訳なかったのでぼくひとりでメインを張ったのですが、無理でしたね。ホント無理!
セッション中にスタッフさんとやり取りをしながら会場との連絡、SNS経由での相談対応、ケータリングの準備等々…
いつも勉強会の日は朝まで飲んでるのですが、今回は途中退場。疲れた〜!
懇親会ぼくがお話できない問題
これはしょうがない部分もあるのですが、参加者同士のご紹介に奔走していて僕自身が中々お話できなかったのが辛い感じでした。(関東開催でも同様なのですが)
単純にお話がしたいというのもありますが、懇親会は次回以降の登壇者をお誘いする場でもあるので、僕が動ける時間を作れるといいなと思ったりしました。
ドリンク余りすぎ問題
ライオンさんがいるときは懇親会参加者数を見てドリンクの発注を絞ったりしてくれているのでうまく回っているのですが、今回は決め打ちでの注文だったのでかなり余ってしまいました。参加者の皆さんにお持ち帰りいただいたり、会場のAimingさまにお引取りいただいたり、ご厚意に甘えてしまいました。
二次会謎の参加希望者問題
締切期限を超えてからの参加希望者が1名おられ、調整さんというサービス上個別に連絡も取れなかったため開催日当日までバタバタしました。*2次回以降はサービスの選択を考えるなどの必要があるかもしれません。
まとめ
反省点もありましたが、はじめての大阪開催として文句なしの100点満点でしょう!
東西半々の登壇者というコンセプティブな構成の実現、そしてなんと参加者も数多くの関東勢が来てくださり、感謝しかありません。本勉強会を通してコミュニティが形成されているんだなと、主催として胸が熱くなる思いです。
大阪開催はお祭りのようなもので、正直なところ頻繁に開催するのは難しいのですが、またいつか開催したい。そう思わせてくれる場とメンバーでした。
素晴らしいセッションをご用意してくれた登壇者の皆さん、忙しい中参加してくれた皆さん、会場をご提供してくださった株式会社Aiming 大阪スタジオさま、そして手厚いサポートをしてくれたスタッフの皆さん。この場を借りてお礼申し上げます!
We'll be back. OSAKA!!
追記
Togetterでまとまってるので当日の雰囲気を知りたい方はぜひ(サムネイルがオトナな感じなのはご愛嬌だ!)