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Houdiniと、CG技術と、日々のこと。

20,000RTを生んだ情報設計 -前編

今回はTwitterのReTweetについて考えていきます。(カテゴリーが「デザイン」になっているのは情報設計という意味です。グラフィックの話は出てきません)

今年ぼくのTweetでRTされたものは上から順に

  1. 22,000RT
  2. 6,000RT
  3. 4,000RT

という感じでした。

こうすればバズる!といった記事ではなく、このように考えて作成した文章がバズったという記録になりますが、Twitterを活用している方には何かしら得ることがあるかもしれません。

また重要なこととして上記RTは炎上させて稼いだものではないということです。

誰かの大切にしているものを踏みにじったり、感情を逆なでして得たインプレッションには意味がなく、長期的に見ればリスクとなるでしょうし、単純にぼくはそんなことしたくないです。

伝えたいことを伝えた結果多くの人に言葉が届く。

それが一番なのではないでしょうか。

本記事は前編として、ツイートを作成するときにどのように考えたか、どのような意図で構築したかについて記載していきます。バズった後の対応とそれについて思ったことなどは後編にてご紹介していきます

22,000RT

本ツイートに関しては本文には特に工夫点はありません。しかし操作手順の録画に関してはいくつか工夫した点があります。

テキスト入力の時間を短く

簡単に、時間もかからず加工ができることを印象づけるため、録画前に一旦文章は入力しておきました。そうすることでサジェストが表示され、テキスト入力の時間が短縮できます。また長い動画は誰も見ないという面でも一定の効果があるでしょう。

改変後のテキストのチョイス

改変後の文字列は「しゅごおおい!コペルニクス的展開なのぉぉぉぉお!!」を選びましたが、これは意図があってのことです。

  • 改変のデモなので本人が普段言いそうもないことをチョイスしてみました。ぼくのTwitterやブログを読んでいただいている方はこの文章は言わなそうというのが分かっていただけるかと思いますw
    またこの文字列だけでも反応する人がいるような文章を考えました。*1
  • また反省点のひとつとして「コペルニクス的展開」は正しくは「コペルニクス的転回」であったということです。パパっと作ったのでよく調べなかったぼくのミスですが、公共性があり、できるだけ多くの人の目に触れさせたい情報は文章などに間違いがないか確かめてからツイートしたほうが良いでしょう。
    しかし瞬発力のある情報発信がTwitterの魅力でもあると思うので、僕はタイポに関してはあまり気にしません。

6,000RT

本ツイートは3つの段落で構成されています。これらを順に見ていきましょう。

一段落

銭湯のコーヒー牛乳を80円から100円に値上げしたら売れ行きが跳ね上がったっていう話好き。

細かく見ていきましょう。分解すると

構成 内容
導入 銭湯のコーヒー牛乳を80円から100円に値上げしたら
驚き 売れ行きが跳ね上がったっていう話好き。

になります。最初にコーヒー牛乳の値上げについて触れ、売れ行きが上がったという流れで想像を覆します。

この一文だけで「え、なんで?逆じゃない?」と思わせるわけです。

二段落

その銭湯はロッカーから荷物を出すときに100円が返却されるタイプのもので、それをそのまま使い切れるからってオチ。

ここで一気に説明を行います。この文は長いですが、一段落目で興味を持ってくれた方は引き込むことができるでしょう。

逆に言うと最初にこれを書いてしまうと、多分読んでくれません。読み進ませるモチベーションを保ってもらうために、下地作りが大切と考えます。

三段落

これはデザインの話だ。

本ツイートで最も重要な部分。デザインというとグラフィックを想像する方も多いかもしれませんが、行動を科学して問題解決するのもデザインの領域です。

これがぼくが一番言いたかったことであり、最後の一文を考えていただくことで拡散に繋がったのかなと思います。

4,000RT

本ツイートはふたつの軸で成り立っています。元ツイートを分解してみましょう。

本論

まずは本論です。

パッと時計見たときゾロ目をよく見る人は疲れている傾向がある。それは無意識に時計を何度も確認してるため。

この文章だけでも意味は通りますが、面白くもなんともないですね。拡散したいと思うようなツイートではないでしょう。

そこでひとつひねりを入れました。

プラスアルファ

このプラスアルファこそがクスッとなる要素で、拡散のキモとなるワードです。

7:77とかゾロ目よく見るなー!

なんのことはない、時計の表示に7:77なんてものはないという一文ですが、ツイート全体の流れから「ヤバイ!もう7:77だ!締切が!!」と言っている様が目に映るようではないでしょうか?

この一文を追加しなければ桁がひとつふたつ違ったかもしれません。

140文字のデザイン

今回の記事で書きたかったことは、たった140文字の情報にもデザインがあり、伝え方によって大きく結果が異なる。ということです。

ネットの海に投げ捨てるような言葉もあれば、伝えたい言葉もあります。そんな伝えたい言葉はツイートボタンを押す前に、「本当にこれで伝わるか」を考えてみると良いかもしれません。

まとめ

拡散したくなるようなTweetというものは読み手の琴線に引っかかり、つい一言添えてしまいたくなるようなものだとぼくは考えます。

よってある種完結していない、保管される要素がある状態、簡単に言うとツッコミ待ちの状態が良いのではないかと思っています。

訴えかける感情は喜怒哀楽どれでも良いですが、少しスキを残しておくというのは有用な手段かもしれません。

20,000RTがバズに入るのかどうかはさておき、日常的につぶやいているツイートの中で、これは多くの人に伝わって欲しいと思うシーンはあるのではないでしょうか。

Twitterは楽しいSNSであると同時に自己ブランディングの場でもあると思います。

本記事が皆様のTwitterライフの一助になれば幸いです。

*1:これはちょっと失敗があって、これだけ多くRTされるとぼくのことなど知らない人が大多数なので、ぼく自身がこういうことをよく言う人だと思われてしまった可能性があるということですw